はじめに
Zoomから、SSO(シングルサインオン)で使用する証明書の運用変更が案内されています。
これまでZoomのSSO連携では、Zoomが提供する認証局(CA)発行のSP証明書(Zoom証明書)が使用されていました。今後はZoomアカウント管理者がZoom Webポータル上で作成・管理する自己署名SP証明書へ移行します。
今回の変更は、Zoomの通常のWebサイトや管理画面に接続するHTTPS証明書の変更ではありません。対象は、Zoomとお客様のIdP(認証基盤)との間で行なうSSO連携に使用する証明書です。
また、すべてのお客様が設定変更を行なう必要はありません。
まずはZoomのSSO設定画面で「サービスプロバイダー(SP)証明書」の表示状態を確認してください。該当セクションが表示されない場合や、すでに自己署名証明書を使用している場合は、今回の証明書更新に伴う対応は不要です。
今回の対応対象である「Zoom Certificate(2026年12月1日に失効)」を使用している場合は、2026年11月30日までに自己署名SP証明書への移行を完了してください。
本記事では、次の内容をご案内します。
- お客様の環境が対応対象かどうかの確認
- 対応が不要なケース
- 対応が必要なお客様
- 自己署名証明書への移行手順
- 移行後のSSOログイン確認
- ログインできない場合の確認事項
画面を確認しながら進めていただければ、対応が必要かどうかを判断できます。対応不要のケースでは、設定を変更する必要はありません。
対応が必要かを確認する
Zoomアカウント管理者の方は、シングルサインオン設定画面の「サービスプロバイダー(SP)証明書」を確認してください。
画面の状態 |
対応 |
|---|---|
| 「サービスプロバイダー(SP)証明書」が表示されない | 今回の証明書更新への対応は不要です |
| 自己署名証明書が選択されている | 移行済みのため、対応は不要です |
| 2027年に失効する最新のZoom証明書が選択されている | 2026年12月1日の更新対応は不要です |
| 2026年12月1日 UTCに失効するZoom証明書が選択されている | 自己署名証明書への移行が必要です |
| 上記に該当しない、または判断できない | STech Iお客様専用窓口までお問い合わせください |
対応が不要なケース
次のいずれかに該当する場合、今回の証明書ローテーションのために設定を変更する必要はありません。
- 「サービスプロバイダー(SP)証明書」セクションが表示されない
- すでに有効期限が更新された自己署名証明書を使用している
- 有効期限が2027年のZoom証明書を使用している
※2026年11月30日迄の更新対応は必須ではございませんが、有効期限までに自己署名証明書へ移行してください。
特に、「サービスプロバイダー(SP)証明書」セクションが表示されない場合は、今回の対応は不要です。設定を探したり、別の証明書を登録したりする必要はありません。
対応が必要なお客様
次の状態の場合は、2026年11月30日 UTCまでの対応を推奨します。
サービスプロバイダー(SP)証明書セクションが表示され、 かつ「Zoom証明書(2026年12月1日 UTCに失効)」が選択されている状態
「証明書の自動ローテーション」について
これまでは「証明書の自動ローテーション」をオンにしていた場合Zoom側で新しいSP証明書が利用可能になった際に、IdPがZoomのSAMLメタデータURLを監視し、自動ローテーションに対応していれば、IdP側に登録されたZoomのSP証明書も自動的に更新される仕組みでした。
しかし、今回の自己署名証明書への移行では、この設定をオンにしているだけでは対応完了になりません。対応要否の表で「対応が必要」に該当する場合は、自動ローテーション設定のオン・オフにかかわらず、自己署名証明書への移行、IdP側への反映、移行後のSSOログイン確認を行なう必要があります。
なお、有効期限が2027年のZoom Certificateを使用している場合は、2026年12月1日の証明書更新への対応は不要です。ただし、最終的な自己署名証明書への移行については、別途案内された期限までに行なってください。
自己署名SP証明書への移行手順
作業前に確認すること
- Zoomのオーナーまたは管理者権限がある
- IdP側の管理者と作業日時を調整している
- ZoomとIdPの両方を変更できる権限がある
- SSOログインのテストユーザーを用意している
- 問題が発生した場合の切り戻し方法を確認している
Zoom Webポータルで自己署名証明書を作成する
- Zoom Webポータルに管理者またはオーナーにてサインインします。
- [管理センター]>[セキュリティと信頼]>[シングルサインオン]を開きます。
- [サービスプロバイダー(SP)証明書]の右側にある[追加]を選択します。
- 証明書名、有効期間、キーサイズを入力または選択します。
例えば、次のように入力します。
※以下は入力例です。実際には、管理しやすい名前と社内の証明書運用ポリシーに合わせて設定してください。- 証明書名:Zoom SSO SP Self-Signed 2026
- 有効期間:2年
- キーサイズ:2048ビット
- [保存]をクリックします。
- 以下のように再度[保存]と[キャンセル]が表示されるため、この時点では[キャンセル]をクリックします。
※IdP側の設定が完了したあとで自己署名証明書を選択後、[保存]してください。 - 現在使用中のZoom証明書を維持したまま、作成した自己署名証明書を選択肢として残せます。
IdP側に証明書を反映する
- 作成した証明書をZoomの詳細画面から表示します。
- コピーまたはダウンロードします。
- その後、ご利用のIdPに応じて次のいずれかを行ないます。
- 証明書ファイルをIdPへ登録する
- ZoomのSPメタデータURLを使用してIdP側を更新する
SPメタデータURLの例:
https://yourvanityurl.zoom.us/saml/metadata/sp
Zoom側で有効な証明書と、IdP側に設定された証明書は一致している必要があります。一致しない場合、SSOログインに失敗する可能性があります。
例:Microsoft Entra IDの場合
以下では、Microsoft Entra IDを例に、Zoomからダウンロードした証明書をIdP側へ反映する手順を説明します。
※ご利用のIdPによって画面名や操作方法は異なります。
Microsoft Entra IDでは、ZoomのSPメタデータURLを登録して証明書を自動更新する方法は使用できません。Zoomからダウンロードした証明書ファイルを、Entra IDの「Verification certificates」に手動で登録します。
※この作業を実施するとZoom Webポータル上での設定が完了するまでSSOによるサインインができなくなります。
Microsoft Entra管理センターで、SSOに使用しているエンタープライズアプリケーションを開きます。
[シングルサインオン]から[SAML ベースのサインオン]を開きます。
[SAML 証明書]内の[検証証明書(オプション)]右側にある[編集]をクリックします。
※「トークン署名証明書」ではありません。[検証証明書を必須とする]にチェックを入れ、[証明書のアップロード]をクリックします。
Zoom Webポータルからダウンロードした自己署名証明書ファイルを選択し、[OK]をクリックします。
証明書が追加されたことを確認し保存します。
既存の証明書が登録されている場合は、切り替えが完了するまで削除しないでください。検証証明書(オプション)の内容が変更されていることを確認します。
これでEntra ID側への証明書登録は完了です。
※この時点でZoomへのSSOサインインができなくなります。速やかに次のステップを実施ください。
Zoom側で証明書を有効化する
本設定作業はIdP側の設定が完了している前提で実施する内容となります。安全に作業するために、IdP側の更新準備を整えてから切り替えてください。
-
Zoom Webポータルのシングルサインオン設定で作成した自己署名証明書を選択し、[保存]をクリックします。
- 確認ポップアップが表示されたら[確認]をクリックします。
- 新しい証明書に切り替わっていることを確認します。
- これでZoom Webポータル上の設定は完了です。
SSOログインをテストする
証明書の切り替え後、実際にSSOログインを行ない、正常にログインできることを確認します。
Microsoftサインインに遷移します。
サインインが完了しZoom Webポータルの設定画面が表示されます。
以下のように問題が発生しサインインができない場合は、次の点を確認してください。
- Zoom側とIdP側の証明書が一致しているか
- IdP側のメタデータが最新になっているか
- 証明書の有効期限が切れていないか
- IdPが自動ローテーションに対応しているか
解決しない場合は、以前の証明書へ戻して再度テストします。
移行完了チェックリスト
次のすべてにチェックが入れば、移行完了です。
- Zoomで自己署名証明書を作成した
- 証明書の有効期間とキーサイズを確認した
- IdP側に同じ証明書を反映した
- Zoom側で自己署名証明書を有効化した
- SSOログインに成功した
- 証明書の有効期限と次回更新時期を記録した
よくある質問
Q. ZoomのWebサイトの証明書が変わるのですか?
いいえ。今回変更されるのは、SSOのSAML通信で使用するSP証明書です。
Q. サービスプロバイダー(SP)証明書セクションが表示されません。作業は必要ですか?
いいえ。今回の証明書更新のための対応は不要です。
Q. 「証明書の自動ローテーション」がオンなら、自己署名証明書への切り替えは不要ですか?
いいえ。これは、Zoomが自動ローテーション対象として提供するCA発行の「Zoom証明書」に関する設定です。今回の自己署名SP証明書もZoom Webポータルで作成しますが、自動管理の対象ではありません。Entra IDへの登録と、Zoom側で自己署名証明書を選択して保存する作業を別途行なう必要があります。
Q. 一般ユーザーも設定変更が必要ですか?
いいえ。Zoom管理者とIdP管理者が行なう作業です。一般ユーザーがZoomアプリやブラウザを設定変更する必要はありません。
Q. 証明書を作成しただけで移行完了ですか?
いいえ。次のすべてが完了している必要があります。
- Zoomで自己署名証明書を作成した
- IdP側に同じ証明書を反映した
- Zoom側で証明書を有効化した
- SSOログインに成功した
Q. SSOログインに失敗した場合はどうすればよいですか?
まず、Zoom側とIdP側に設定されている証明書が一致しているか確認してください。解決しない場合は、以前の証明書へ切り戻して再度テストします。
参考記事:
- Rotating Single Sign-On (SSO) certificates for Zoom
- Using self-signed certificates single-sign-on (SSO)
- Quick start guide for single sign-on (SSO)
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