概要
現在のZoomにおけるグループ管理は、グループレベルで利用可能な設定と強く結びついています。この構成では、複数の製品機能を管理する際に、グループ同士で設定が競合しないように運用することが難しく、また、設定がないグループを管理することも課題となっています。
設定がないグループが適用される具体的なシナリオ
以下のようなケースでは、設定がないグループを利用する必要が生じます。
- チームチャット用の連絡先グループ/共有スペース/チャンネルの割り当て
- Zoom App Marketplaceにおけるグループごとの承認
- 情報障壁(部門間で情報のやり取りを制限する機能)の設定
- ワークスペース予約の近隣区分の指定
- ロールベースアクセスのスコープ設定(特定のユーザーグループへのアクセス範囲を限定)
このグループ管理にて、新しい方式での管理が導入されます。これにより、複数グループについての柔軟かつ一貫した管理が可能となります。
本記事では以下について記載しております。
- グループと設定の新しい管理手法
- 新しい管理方法への移行について
- 新しいグループおよび設定管理方法を有効化する前の重要情報
- 新しいグループおよび設定管理方法が有効化された際の画面表示
- 新しい管理方法への移行手順
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グループと設定の新しい管理手法
Zoomでは、グループと設定の管理方法を改善するための新しい管理方法を導入します。この新しい方法では、管理者が以下の操作を行うことが可能になります。
- ユーザーグループ毎に製品レベルの設定の適用の有無を構成することが可能になります。
例:部門や地域ごとにユーザーを追跡するためのグループを作成したり、特定の製品(Zoom AI Companionなど)の使用を許可しないグループを設定したりできます。 - 1人のユーザーを複数のグループに属させ、それぞれ異なる設定を適用させることが可能です。
これにより、同一ユーザーに対して複数の目的や条件を満たす設定を割り当てることが可能になります。 - グループに割り当てられた製品レベルの設定に優先順位を付けることで、複数グループ間の設定の競合を解消する。
例:ユーザー1が、ミーティング設定を管理するグループAとグループBの両方に所属しているとします。グループAが優先順位1(P1)、グループBが優先順位2(P2)に設定されている場合、ユーザー1にはグループAのミーティング設定が適用されます。
新しい管理方法への移行について
新しいグループと設定管理方法への移行は、簡単な4つのステップで完了します。また、移行を完了する前にテストを行うことも可能です。
新しい管理方法に関する要件
- 有料Zoomアカウント
- アカウントオーナーまたは管理者権限
- 機能有効化のためのZoomサポートへのリクエスト送信
新しいグループおよび設定管理方法を有効化する前の重要情報
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旧バージョンへのロールバック不可
一度新しい管理方法に切り替えると、以前の管理方法に戻すことはできません。 -
グループ管理の場所は変わらない
グループの管理は引き続き[ユーザー管理]>[グループ]で行ないます。 -
基本プロセスは同じ
新しいグループの追加、新しいグループ管理者の設定、メンバー管理といったプロセスはほぼ同じですが、ユーザーインターフェースに若干の変更があります。新しい管理方法の使い方については、こちらを参照してください。 -
設定競合のロジック変更
複数のグループに属するユーザーがいる場合、グループ間で設定が競合することがあります。この場合、新しい方法では製品レベルの設定にて割り当てられた優先順位(Priority)によって優先される設定が決定されるようになります。 -
プライマリグループの扱い変更
新しい管理方法に切り替えた後も、ユーザーのプライマリグループは変更されません。ただし、上述の通り設定の適用にはグループで割り当てられた優先順位(Priority)によって決定されるので、プライマリグループは設定の適用を決定するためには使用されなくなります。 -
設定のロック/アンロックの扱い
設定のロックやアンロック機能は引き続きサポートされますが、複数グループ間でどの設定が優先されるかの計算には影響せず、グループの優先順位(Priority)によって決定されます。
この情報を元に、新しい管理方法への切り替えを慎重に検討してください。
新しいグループおよび設定管理方法が有効化された際の画面表示
新しい管理方法が利用可能になると、アカウントオーナーおよび管理者には、グループと設定の新しい管理方法を紹介するポップアップウィンドウが表示されます。
このウィンドウでは、新しい管理方法の概要が説明され、以下の選択肢が提供されます。
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Start Migration
このボタンを選択すると、4つのステップからなる移行プロセスが開始されます。各ステップで設定や確認作業が順を追って進められるようになっています。 -
Not Now
このボタンを選択すると、移行を一時的に保留し、後日再度行うことが可能です。
移行プロセスは柔軟に進められるよう設計されており、管理者が必要なタイミングで対応できるようになっています。
新しい管理方法への移行手順
- 新しいグループおよび設定管理方法が有効化された際の画面表示で[Start Migration]をクリックすると移行が開始します。
- 移行対象のグループ名を選択し[Next]をクリックします。
※移行を中断する場合は右下の[Quit migration]をクリックします。 - 矢印ボタンをクリックしグループの優先順位を調整します。優先順位が高いグループ(Order 1)の設定が、ユーザーに対して優先的に適用されます。順位の変更によって設定の適用順序が変わるため、慎重に調整する必要があります。またこのステップを完了することで、グループ設定の優先順位が確定し、設定の競合が解消されます。
- Zoomの新しいグループ設定優先順位をテストするステップ
このプロセスでは、設定変更が正しく適用され、競合がないか確認するためのテストが行われます。
注:
テスト完了後、CSV形式のレポートが提供されます。このレポートには、新しい優先順位システムと既存のプライマリシステムの間で発生する可能性のある競合の詳細が含まれます。テストをスキップした場合、移行の確認フェーズに直接進みますが、設定競合が発生する可能性があるため、テストを実行することが推奨されます。
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Choose the data you want to test priorities
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Test certain users from your account:アカウント内の特定のユーザーを選択して、優先順位が正しく適用されるかテストできます。
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Test all groups:全てのグループで優先順位設定を確認します。
注:このオプションは時間がかかる可能性があります。
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- ボタンについて
- Test priority:選択したユーザーまたはグループでテストを実行します。
- Previous:前のステップに戻ります。
- Skip this step:このステップをスキップします。
- Quit migration:移行を中断します。
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- 競合が発生していた場合、以下のように表示され、csvファイルにて詳細の確認が可能です。
2つのグループで設定が競合しています。レポートに基づいて、新しいグループ設定の優先順位や設定を調整します。
注:レポートに基づき設定を変更した場合、"Your migration is in progress"と画面に表示されます。その間はデータの処理が進行中のため、既存のグループ構造、メンバー、設定に対して変更を加えないでください。これにより、テスト結果の正確性に影響を与える可能性があります。 - 競合が無い場合、以下のように表示されるので、[Next]をクリックします。
- 最終確認画面です。[Confirm and update]をクリックします。
- 移行が完了したら以下のように優先順位(P2など)が表示されます。
注意事項
移行時に選択されなかったグループは、製品レベルの設定が行われていない状態となっています。この場合、これらのグループにはアカウント全体の設定がデフォルトで適用されます。そのため、新しい管理方法への移行時に、設定の適用が必要なグループを忘れずに選択する必要があります。
こちらの記事は、「New groups and settings management experience」を基に作成しました。
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